ドローンのルール
人口集中地区(DID)のドローン飛行規制が一部緩和
2026年(令和8年)7月1日から、これまで一律に飛行許可が必要とされてきた人口集中地区(DID)のうち、「工業専用地域」内の空域が許可不要となりました。
臨海部のプラント点検や物流など、産業用途でのドローン活用に直接影響する改正です。
臨海部のプラント点検や物流など、産業用途でのドローン活用に直接影響する改正です。
本記事では、国土交通省の公式告示にもとづき、「何が」「どこまで」緩和されたのかを整理します。
緩和の対象は限定的であり、他の飛行ルールは従来どおり適用される点に注意が必要です。
緩和の対象は限定的であり、他の飛行ルールは従来どおり適用される点に注意が必要です。
▽ 改正のポイント(結論)
2026年7月1日施行の国土交通省告示第435号により、次のとおり取り扱いが変わりました。
飛行許可が必要な地域 = 人口集中地区(DID) - 工業専用地域
つまり、飛行させたい場所がDIDに該当していても、その場所が「工業専用地域」であれば、DID(人又は家屋の密集している地域)の飛行許可は不要になります。
これは、居住用家屋が原則として存在しない工業専用地域は、落下等による地上の人・物件への危害の蓋然性が低いと判断されたことによるものです。
▽ 対象となる「工業専用地域」とは
「工業専用地域」は、都市計画法第8条第1項第1号で定められている用途地域のひとつで、工場の利便を目的とした地域です。
ここで最も重要なのは、緩和の対象が「工業専用地域」に限定されている点です。
工業専用地域(対象)… 原則として住宅を建てられない、工場専用のエリア
工業地域(対象外)… 住宅や店舗の混在が認められるエリア
名称が似ていますが、「工業地域」は今回の緩和の対象外です。
混同すると無許可飛行(航空法違反)となるおそれがあるため、必ず区別してください。
▽ 根拠となる法令・告示
混同すると無許可飛行(航空法違反)となるおそれがあるため、必ず区別してください。
▽ 根拠となる法令・告示
今回の緩和は、次の法令・告示にもとづいています。
航空法第132条の85 … 人口集中地区(DID)上空での無人航空機の飛行を原則禁止(飛行には国土交通大臣の許可が必要)
航空法施行規則第236条の72 … DIDから除外する区域を国土交通大臣が告示で定めることができる旨を規定
国土交通省告示第435号 … 「都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域」をDIDから除外する区域として指定(令和8年7月1日施行)
▽ 【要注意】緩和されるのは「DID飛行許可」のみ
今回不要になるのは、あくまで「人又は家屋の密集している地域(DID)」に関する飛行許可だけです。
以下の規制・手続きは、工業専用地域内であっても従来どおり適用されます。
以下の規制・手続きは、工業専用地域内であっても従来どおり適用されます。
■ 空域に関する他の許可(該当する場合は引き続き必要)
・空港等の周辺の空域
・地表または水面から150m以上の高さの空域
・緊急用務空域(設定時は原則すべての飛行が禁止)
■ 飛行の方法に関する承認(該当する場合は引き続き必要)
・夜間飛行
・目視外飛行
・人または物件から30m未満の距離での飛行
・催し場所上空での飛行 など
■ 航空法以外の規制
・小型無人機等飛行禁止法(国会議事堂・皇居・原子力発電所などの重要施設周辺)
・地方公共団体の条例(公園・観光地などでの飛行制限)
■ 基本的な義務
・機体の登録・リモートIDの搭載
・飛行計画の通報、飛行日誌の作成
・飛行前確認、アルコール・薬物の影響下での飛行禁止 など
工業専用地域であっても、これらに該当する飛行を行う場合は、別途の許可・承認や手続きが必要です。
▽ 「工業専用地域」かどうかの確認方法
飛行予定地が工業専用地域に該当するかどうかは、次の方法で確認できます。
1.管轄の自治体に確認する(用途地域の指定状況は自治体が管理)
2.全国都市計画GISビューア … 「用途地域」タブ内の「工業専用地域」を選択して確認
3.地理院地図(国土地理院) … DID(人口集中地区)の範囲を確認
境界付近では判断が難しいため、DIDと工業専用地域の両方を照らし合わせて確認し、不明な場合は自治体や地方航空局に問い合わせることを推奨します。
▽ 【混同注意】同時期の「小型無人機等飛行禁止法」の改正は"強化"です
2026年7月は、ドローン関連の別の改正も重なっています。混同しないようご注意ください。
7月14日施行:小型無人機等飛行禁止法の改正。重要施設周辺の飛行禁止区域(イエローゾーン)が300mから1,000mに拡大され、違反への罰則も強化されました。
こちらは今回のDID緩和とは別の法律による規制強化です。
「7月からドローンが飛ばしやすくなった」と一括りにせず、緩和(工業専用地域のDID除外)と強化(飛行禁止法のイエローゾーン拡大)を分けて理解することが重要です。
詳細については以下記事をご覧ください。
改正ドローン規制法が成立|飛行禁止「周囲1キロ」はいつから?影響と対策を解説
「7月からドローンが飛ばしやすくなった」と一括りにせず、緩和(工業専用地域のDID除外)と強化(飛行禁止法のイエローゾーン拡大)を分けて理解することが重要です。
詳細については以下記事をご覧ください。
改正ドローン規制法が成立|飛行禁止「周囲1キロ」はいつから?影響と対策を解説
▽ まとめ
・2026年7月1日から、DID内の「工業専用地域」はDID飛行許可が不要になった(国土交通省告示第435号)
・対象は「工業専用地域」のみ。「工業地域」は対象外なので要注意
・不要になるのはDID許可のみ。空港周辺・150m以上・夜間・目視外・30m未満などの許可・承認、飛行禁止法、条例、機体登録などは従来どおり必要
・飛行前には、DIDと工業専用地域の両方を必ず確認
産業用途でのドローン活用の幅が広がる一方、対象範囲や併存する規制の理解が不可欠です。
ドローンスクール東京では、こうした最新の法改正をふまえた正しい飛行知識・技能の習得をサポートしています。
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※本記事は2026年7月時点の国土交通省公表情報(航空法、航空法施行規則第236条の72、国土交通省告示第435号)にもとづいて作成しています。
最新の情報は国土交通省ホームページ「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」をご確認ください。
最新の情報は国土交通省ホームページ「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」をご確認ください。