ドローン情報

「DJI Matrice300RTK」インストラクターによる飛行レビュー!

DJI Matrice300
今回は2020年5月に発表・出荷された産業用ドローン、DJI Matrice300 RTKをレビューします。

機体の性能(スペック)について

まず気になるのはその性能です。
基本飛行に必要な項目をまとめました。

最大飛行時間:55分
5935mAh(ミリ・アンペア・アワー)の大容量を搭載しているため、一般的な空撮で用いる1~2m/sの飛行であれば長時間の飛行が可能です。
 
障害物センサー:全6方向
前後左右上下にビジョンシステムを搭載しています。
全方向0.7~40mの間で任意に設定可能で、現場に合わせてオフにすることも可能です。
 
最大伝送距離:15km(日本では8kmに制限)
他のDJI機体同様長距離での飛行が実現されています。
人が立ち入れない現場への長距離飛行や高層建造物の点検作業等に最適です。
 
機体重量:約6.3kg
専用バッテリーを搭載した際の最大重量です。
後半でもご紹介しますが、バッテリーが1つ1.3kg程度ですのでかなりの重量になり、動作も重く感じます。
 
耐風性能:15m/s
パワフルなモーターかつ機体重量が重いため最大15m/sまで耐えることが可能です。
しかし、機体自体が大型のため風に煽られやすくもなっていますので数字だけ性能を判断しないよう注意が必要です。
 
最大飛行速度: Pモード 17m/s    Sモード 23m/s
設定次第ですが、最大23m/s=時速約80km/hまで加速します。
緊急事の現場急行に向いていますが、速度の分停止時に慣性も乗るため耐風性能同様速度表示だけを見ないようご注意ください。
 
以上が基本性能です。
産業用機体だけあってどの項目も高性能ですが、現場に合わせて設定を合わせないと事故につながりますので注意しましょう。

DJI Matrice300 RTKの用途

DJI Matrice300外壁点検中
次にこの機体の主な用途をご紹介します。
カテゴリーに「産業用」とある通り、建造物点検や土地の測量に向けられた機体です。

機体下部に赤外線カメラや超高倍率ズームカメラ等必要に応じたアタッチメントを搭載可能で、撮影した画像を専用のソフトウェアで解析もできるため従来の足場を必要としていた作業に比べて時間・リスク・コストの全てにおいて大幅な削減が見込めます。
 
・搭載できるもの
M300に搭載できる代表的なアタッチメントは以下の通りです。

ZENMUSE Z30 最大光学30倍ズームカメラ
すでに生産が終了していますが、可視光のみのズームカメラです。
少々古いモデルですが、発売当初はドローンでも近づき辛い風車の点検等に用いられました。
 
ZENMUSE H20T 赤外線・広角・ズーム複合カメラ
光学で23倍、デジタルズーム含め最大200倍ズームが可能です。
1回のシャッターで可視光・赤外線を同時保存できるため撮影面を見失うことがなくスムーズな作業が可能です。
ズームしても被写体の輪郭が劣化することも少ないためどうしても近づき辛い現場でも安心です。
 
・値段
値段はオープン価格ではございますが、例えばM300RTK本体+バッテリー8個+RTKユニット(GPSの精度を上げる装備)のフルセットで約300万円程度です。
決して安い値段ではありませんが、それに見合った性能を備えています。

現在は、補助金などを活用することで、1/2~2/3を補助してもらう事も可能です。

所感

DJI Matrice300点検中
最後に実際に現場で感じた感想をご紹介します。
スペックで見る以上に現場向きな内容ですのでぜひ参考にしてください。

①耐風性能が高い
性能面でもご紹介した通りパワフルなモーターと機体重量で安定感が抜群です。
突風が吹いた際は他機体同様多少揺れますが、さすがの安定性能ですぐ作業に戻れます。

②動作が重い
機体本体+合計約3kgのバッテリーを搭載するため飛行動作が重く感じます。
大幅な遅延は感じませんが、一般機ほど機敏には動かないため離陸→移動時はより慎重な操作が求められます。

③操作を分担できる
これが最大の特徴で、Matrice300にはプロポ(送信機)が2つ付属しています。
理由はドローン本体の操縦とジンバル等のカメラ設定を二人で分担できるというものです。

ドローンの操縦はその見た目以上に周囲への注意が必要かつ疲労が溜まりやすいもので、一人で操縦と撮影を兼任するのは難易度が高い技術の一つです。
さらに産業用ドローンを扱う現場は再撮影や日程変更を行うのが難しいことが多いためミスは許されません。
一つでも不安要素をなくすためにこの機能は今後も必須になってきます。

④赤外線カメラ性能が優秀
従来のハンディタイプやマビックシリーズに搭載している赤外線カメラは温度変化はわかるものの、輪郭がぼやけることが多いため、あくまで目安をつけることが多かったのですが、このMatrice300に搭載する赤外線カメラは細かなタイル1枚1枚も見分けられるようになるため、より点検精度が向上しました。
 

以上、今回は最新産業用機体「DJI M300 RTK」のご紹介とレビューをお届けしました。
大型機体特有の良い点悪い点はありますが、仕事効率やカメラ性能を見るともちろん良い点が多いので、これから事業参入を計画している方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
 
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