インタビュー

【ドローン未来通信vol.26】AUTELとParrotの国内正規代理店『KMT様』

ドローン未来通信では、様々な方に今後のドローンの可能性についてインタビューを行う企画です。
26回目の今回は株式会社KMTの阿部様、石塚様にお話をお伺いしました。

写真左:Parrot担当 阿部様
写真右:AUTEL ROBOTICS担当 石塚様

当社ハミングバードは、KMT様よりParrotおよびAUTEL ROBOTICSの機体を販売いただいています。
また、製品故障時のメンテナンス、修理、メーカーとの調整など、機体の販売だけでなく幅広くサポートいただいております。

今回は、Parrot、AUTEL ROBOTICSそれぞれの国内正規代理店としてどんな活動をされているのか、今後の日本での展開、国内におけるドローン活用の課題など、幅広いテーマでお話いただきました。

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KMT株式会社様

KMT株式会社様は、2003年の創業以来、半導体製造装置のトータルソリューション企業として、全国9拠点で最先端かつ確かな品質管理技術の習得と技術者の育成強化に取り組まれている会社です。
2019年からドローン市場に参入されました。
 
事業内容:
ドローンサービス
DLCコーティング
エンジニアリング
トータルソリューション
派遣事業
KMT e-learning

本社:長崎県諫早市津久葉町2060-15
横浜オフィス:神奈川県横浜市旭区上川井町2176 ガーデンヒート上川井ビル102
URL:http://kmt-inc.sakura.ne.jp/drone/
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2019年に「Parrot」の一次代理店として販売を開始

ハミングバード:
本日はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます!最初にKMT様の会社について教えていただけますか?

KMT阿部様:
はい、弊社は2003年にKMテクノロジーという会社からスタートしました。
主な業務は半導体メーカーへエンジニア人材の派遣を行うエンジニア事業です。
日本全国にオフィスがあり、大手半導体メーカー様の支援を行っています。

大手デバイスメーカーや装置メーカーの両方からお仕事をいただいて、半導体を作る機械のメンテナンスや保守管理などを行っています。
即戦力、即対応、高効率が特徴で、弊社内で開発したe-learningなどの教育システムを活用し、弊社内でスタッフを育成し、お客様先に即戦力スタッフを派遣しています。
 
ドローン事業は本社がある長崎県諫早の長崎サテライト、大分オフィス、横浜オフィスの3拠点で展開しています。
ゆくゆくはここを拠点に全国のオフィスにドローンに精通したスタッフが配置できるようになればいいなと思っております。

ハミングバード:
3拠点での役割の違いはあるのでしょうか?

KMT阿部様:
営業関連については横浜に集中させています。
諫早はスクールができるような設備を整えています。大分はもともとこの部署を立ち上げた初期のメンバーがおり、空撮などの業務をメインで行っています。

ハミングバード:
ドローン事業についてはいつ頃からどのような形で参入されたのでしょうか?

KMT阿部様:
2019年の1月にフランスメーカーである「Parrot」を一次代理店として取り扱い始めたのが最初です。
国内ではParrotの一次代理店が2社ありますが、当社以外のもう1社はコンシューマ向けの代理店様で、Amazonや家電量販店などの販売を担当されています。

弊社はBtoBを担当しているので、主に企業や官公庁などがお客様となります。
なかでも弊社はドローン業界では後発だったため、少しニッチな分野として「Bluegrass」という精密農業に使うための機体から取り扱いを開始しました。
 
次に取り扱いを始めたのが「dji」です。
djiの機体はどこでも販売されているので、当時djiでP4M(P4 Multispectral)という新しい機体が出てきていたので、そこを中心に扱っていこうということになりました。
 
そして、2020年10月頃から年末にかけてローンチしましたが、「AUTEL ROBOTICS」の取り扱いも開始しました。
こちらはコンシューマからBtoBまで、弊社が一次代理店として担当させて頂いております。
納入先としては、官公庁から一般企業、個人まで幅広く対応させて頂いています。

KMT石塚様:
弊社では販売の他にもう一つの柱として、次世代の農地解析を行う「MIETA」というサービスを提供しています。
これは農家様が自分自身でドローンを圃場で飛ばし、撮影したデータを弊社が解析するサポートサービスです。
農家様が自身でドローンを飛ばすための講習・解析ソフトのサポート等を行うことで、農家様自身でドローンを飛ばし解析できるようサポートを行うサービスです。
あとは、リース会社様と組んで、ドローン本体のリースもプランとしてはご用意しています。

半導体メーカーの工場をドローンなら効率的に点検できるのでは?という視点からドローン事業がスタート

ハミングバード:
ありがとうございます。ちなみに、半導体の人材派遣事業からドローンに進出というのは、どういう背景があったのでしょうか。

KMT阿部様:
もともと弊社代表は大手半導体メーカーの工場で働いていた人間で、半導体の工場が非常に大きいことを知っていました。
そしてその巨大な建物の点検を行うのに足場を組むのであれば、ドローンを活用することでもっと効率的にできるのではないか、という発想から当社のドローン事業は始まりました。

ハミングバード:
なるほど。そうだったのですね。
ちなみにAUTEL ROBOTICSをお取り扱い始めた背景も教えて頂けますか。

KMT阿部様:
djiが世界で一番人気の機体を開発しているメーカーで、それに負けない機体を扱いたいと考えていたところ、知り合いの会社から「AUTEL ROBOTICS」の紹介を受けました。たまたまタイミングよくご紹介いただけたという感じですね。

ハミングバード:
なるほど。そうだったのですね。では阿部様と石塚様は普段はどんな業務を担当されていらっしゃるのでしょうか。

KMT阿部様:
メーカー別で担当を分けておりまして、私はParrotを担当しています。
コンシューマとは切り離されているので、官公庁様はじめBtoBをメインに動いています。
代理店様と一緒に仕様書を作成したり、次の予算の中で何がご提案できるかといったことを検討しています。
あとは販売した機体にトラブルが発生した場合のサポートや修理、メーカーとのやり取りを行っております。

ハミングバード:
ありがとうございます。石塚様はどんな活動をされていらっしゃいますか?

KMT石塚様:
私はAUTEL ROBOTICSを担当しています。
どちらかというと官公庁系の仕事は少ないので、民間企業様向けに代理店様と情報のやり取りをしています。
あと、AUTEL ROBOTICSは代理店様経由だけじゃなく一般の方々への直接販売も増えてきているので、ご質問やご相談に回答することも多いです。
Autel Roboticsは販売が始まってから日が浅く機体なので、djiのように製品紹介の動画が上がっていない為、弊社に直接問い合わせが来ることが多いです。
ですので、私の方で検証フライトも行いますし、修理も行っていますね。

セキュリティやライブデッキなど、DJIには無い機能からParrotやAUTELを選択されている

ハミングバード:
ありがとうございます。
ドローンのシェアで言えば、日本だけでなく、世界を見てもdjiが7割以上と圧倒的かと思いますが、ParrotやAUTEL ROBOTICSなど、dji以外を選択されるお客様のニーズはどういったところにありますか?

KMT阿部様:
Parrotでいうと、信頼性とセキュリティ面ですね。
多くのドローンメーカーが中国ブランドですが、Parrotはフランスのブランドです。
データをパイロットの意図しないところで勝手に抜いたりしない、メーカーにデータをシェアするとしてもデータセンターはヨーロッパにあるというところで、信頼性、セキュリティ面で選んでいただくことはありますね。
あとは、djiの一般的な機体では難しいドローンの真上を撮影したいというニーズがある場合に選択頂くケースがあります。

ハミングバード:
なるほど。djiには無い機能ですね。
お客様はdjiも保有しつつ、Parrotも買う、というパターンが多いのでしょうか?

KMT阿部様:
最初に購入するドローンとしては、なかなかParrotに辿り着いてこないですよね。
やはり最初に購入するドローンとしてはdjiを選択されることが多いようです。
djiで出来ないことやセキュリティなどを考慮して2つ目の機体としてParrotを選択されるケースが多いですかね。

ハミングバード:
ありがとうございます。AUTEL ROBOTICSの場合はいかがですかね?

KMT石塚様:
そうですね、販売当初は折りたたみ式ドローンで8Kや6Kの映像を撮影できる機体が無かったので、持ち運びが簡単で高解像度なデータが撮れるドローンとしてお声がけを頂く機会が多かったです。
あとは、飛行時の安定性も高く、セキュリティ性がしっかりしているというところで選択頂く方も多いです。
AUTEL ROBOTICSの場合、ユーザーアカウントは必要なく、オフラインでも使える点が強みですね。
あとは、直接見ている映像をモニター越しからオンラインで伝えられる「ライブデッキ」も魅力です。
離れた現場のところにデータを簡単に転送できるシステムで評判がいいですね。

ハミングバード:
災害時など、すごく有効活用できそうですね。

KMT石塚様:
はい、その通りですね。
仮に災害が発生した場合、みんなで最前線ギリギリまで行かなくても映像の共有が簡単にできるようになっております。

機体登録制度への対応はこれから

ハミングバード:
それは便利ですね、ありがとうございます。
次の質問ですが、2022年の航空法の改正で、レベル4の実現が迫っています。
航空法の改正が行われることによって、ドローン販売にどのような影響が起きるとお考えですか。
特に機体の登録制度が始まります。各社がどのように対応されるかを教えて頂けますか?(取材時は2021年5月)

KMT石塚様:
Autel Roboticsに関しては、まだ特に動いてはいないですね。

KMT阿部様:
Parrotのほうは、私の方でメーカーや官公庁とやり取りをしています。
海外ではすでにANAFIシリーズでIDを発信するようになっています。
ヨーロッパの基準ではもう適合できるようになっていてIDを発信しているのですが、日本はもう少し制度が複雑になりそうですね。

KMT石塚様:
まだ具体的な内容が決まっていないがゆえに、メーカー側にも、日本はこうなるよと話すこともできないので、早く決めて欲しいところではありますね。

ハミングバード:
最初は機体番号(ID)を外付けになるかなと思うのですが、いかがでしょうか。
外付けモジュールだけで100gになるという話もありますが。

KMT阿部様:
そうですね、外付けの話もありますね。
Parrotの機体って300gくらいなので、100gクラスの機材を積む事はなかなか厳しいと思われます。
誰が作るのか一般消費者にも判る形で早く明確になると良いですね。

スクール卒業後にも技術を維持・継続できる仕組みがあると良い

ハミングバード:
ありがとうございます。ここは早く発表して欲しいですね。
最後に、我々ドローンスクールを運営していますが、ドローンスクールに期待することや伝えたいことはありますか?

KMT阿部様:
ドローンスクールの場合は限られた日数の中で、技術を落とし込んでいく形になると思いますが、アフタースクールじゃないですけど、気軽に来られて、維持・継続みたいな形とか、そういうサービスを実施頂けると良いなと思います。

スクール卒業後もどんどん飛ばしていってくれる人は上手になっていくと思いますが、とりあえず会社から「スクールに行ってきて」と言われた人ですと、やはりスキルが徐々に落ちてしまうことが多いですね。

あとは、メーカーごとに特性やアプリが異なりますので、うまくケアできるオプションコースみたいなものがあると良いですね。
航空機でいうと、スイッチの配列や操作が違ったりするので1機種1免許になっています。777の免許やA380の免許など。

ハミングバード:
ありがとうございます。石塚さんはいかがですか?

KMT石塚様:
すべてのスクールさんに適応するわけではないですが、私の場合はデモフライトで色々な地域に伺うのですが、スクールにとりあえず行ってきたけど全部シミュレーションで実機を触ったことがないっていう方が多くいらっしゃいました。
その辺りの仕組みや技術の統一を図ってもらえたらとは思いますね。

ハミングバード:
ありがとうございます。
最後に、KMTさんとして伝えたいメッセージとかありますか?

KMT阿部様:
これからも、珍しいものとか、目新しい機体とかがあれば積極的に取り入れていきたいと思っています。色々な国のドローンとかをご紹介できたらいいなと思っております。
 
KMT石塚様:
そうですね。やはりまだまだdjiさんの機体の認知が高いというところがあるので、「それ以外の良いドローンもちゃんとありますよ」というのを伝えていきたいですね。
 
ハミングバード:
かしこまりました。本日は長時間にわたりインタビューに回答いただき、ありがとうございました。私たちも大変勉強になりました。

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