インタビュー

【ドローン未来通信vol.25】東急コミュニティー様

ドローン未来通信では、様々な方に今後のドローンの可能性についてインタビューを行う企画です。
25回目の今回は株式会社東急コミュニティーのリフォーム事業部の小山様と鈴木様にお話をお伺いしました。

写真右:リフォーム事業部 企画統括部 DX推進課 小山様
写真左:リフォーム事業部 設計監理部 設計統括課 鈴木様


当社ハミングバードは東急コミュニティー様と2018年から回転翼3級の資格取得やドローンを活用した点検事業でお取り引きさせて頂いています。
今回、東急コミュニティー様におけるドローン活用や、今後のドローンをビジネスで有効活用していくにあたっての課題、ドローンスクールに期待されることをお伺いしました。
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株式会社東急コミュニティー様
総合不動産管理のリーディングカンパニーとしてマンション管理、大規模改修工事、ビル管理など、住まいに関わるサービスをご提供されています。


事業内容:
マンションライフサポート事業
ビルマネジメント事業
リフォーム事業

本社:〒158-8509 東京都世田谷区用賀四丁目10番1号 世田谷ビジネススクエアタワー
URL:https://www.tokyu-com.co.jp/
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ハミングバード:
本日はインタビューの機会を頂戴し、ありがとうございました!
最初に自己紹介をお願い致します。
 
東急コミュニティー 小山様:
東急コミュニティーはマンション、ビル、施設、公共施設、公営住宅の管理運営から工事までをトータルサポートする総合不動産管理会社となります。
我々の所属している「リフォーム事業部」は主にマンションを中心に約 12 年ごとに実施する大規模改修工事や計画修繕を検討する部署になります。
 
その中で私は「企画統括部 DX 推進課」というチームで、デジタルトランスフォーメーションを考える担当をしています。
ドローンについては最先端の技術であり、以前から「ドローン×DX」、「ドローン×AI」などを業務に取り入れていく必要があると考えていました。
 
東急コミュニティー 鈴木様:
私は「リフォーム事業部」の「設計監理部」という部署に属しています。
大規模改修工事を検討されているマンションに対して、建物調査を行い、改修仕様の検討をし、金額算出までを行う設計部署になりますが、工事仕様の統括や見積書、工事仕様書というツールの運用管理などをバックアップする業務を担当しています。 

2019年からマンションの外壁の劣化調査診断や現況調査にドローンを活用

ハミングバード:
現在、東急コミュニティー様ではドローンはどのような用途で活用されていますか?

東急コミュニティー 小山様:
マンションの大規模改修工事の事前調査として、外壁の劣化調査診断や現況調査にドローンを活用しています。
ドローンにカメラが搭載されているので、塗装の外壁面であれば可視画像を活用し、タイルの外壁であれば赤外線カメラも併用して利用しています。 

ハミングバード:
いつ頃からドローンを活用されたのでしょうか? 

東急コミュニティー 小山様:
約 3 年前(2018 年)から社内でドローン活用の検討を開始し、2 年前くらいにハミングバードさんにご連絡し、まずは私の方で「回転翼 3 級」の資格を取得させて頂いたのが最初ですね。ですので、本格的に活用を始めたのは 2 年前くらいですかね。 

ハミングバード:
検討を始めた 3 年前というと、同業者の中でも早い時期だと思いますが、きっかけはあったのでしょうか?
 
東急コミュニティー 小山様:
新築の建設業界でドローンが使われ出したというのが一番大きいと思います。
当社には新しい技術を採用する部署があり、その部署が新築の定点撮影でドローンを活用している事例を聞いたそうで、そこで弊社でも使えるのではないかということから、トライしてみることになりました。
 
ハミングバード:
そういう専門部署があるのですね。実際に御社が考えるドローン活用のメリットを教えていただけますでしょうか。
 
東急コミュニティー 鈴木様:
ドローンにカメラが搭載されていることで、外壁のタイル面や塗装面の撮影ができるだけでなく、通常ですと足場やゴンドラを設置しないと確認できないようなところもドローンであれば撮影できる点がメリットですね。
 
従来では、どうしても手の届く範囲や目に見える範囲に限定した中で調査をしていたのですが、ドローンを使って上空を飛行することで、見える範囲、確認できる範囲が広がりました。そこは本当に良かったと感じています。
 
そして管理会社としては、マンションの隅々まで劣化状況を把握し、マンションの現況に合った工事提案が(管理組合様に)できることがメリットと考えています。 

ドローンはコスト面、工期面でメリットがある

ハミングバード:
ドローンを活用すると隅々まで点検できるのは良いですね。ちなみに技術的な面以外でもメリットはありますか?
 
東急コミュニティー 小山様:
コスト面、工期面でもメリットがありますね。例えばこれまでに「3m上の天端が見えない」という場合でも簡単な足場を組む必要がありました。
そうすると時間やコストが掛かってしまいます。また、作業員の安全面も考慮する必要が出てきます。
 
それに比べると、ドローンは人の目と同じ目線、もしくはもっと上から広い視点で見ることができるので、人を上に持ち上げる必要がないという面で、コスト面も安全面もクリアできると感じています。
 
ハミングバード:
ちょっとした点検でもドローンならすぐに見ることができますよね。これまで実際にそのような事例はありますか?
 
東急コミュニティー 小山様:
はい。ある建物の外構に高さ6m程度のアーチがあり、そこの上部から漏水しているという相談を受けたことがありました。
人が登れる部分ではないので、足場を組むか、という話をしている時に、当社でドローンを保有していたので、ドローンを飛行し、どのような状況になっているかを撮影し、すぐにご報告することができました。
画像の精度も十分で、お客様からもすごく見やすかったという反応を頂くことができました。 

ハミングバード:
そんな時こそドローンは便利ですね。
現在の用途以外に今後、御社内でドローンを活用していく方針や考えなどあれば教えて頂けますか?
 
東急コミュニティー 小山様:
いくつか考えていますが、ドローンは単体では意味をなさないものなので、「ドローン×IT」など、デジタル技術と関連させていきたいというのを、まず考えています。
 
それから、当社のマンション管理業では、60m を超える超高層のタワーマンションが多くあります。
タワーマンションになると、点検にゴンドラを使用する必要があり、ゴンドラは通常の足場と比べて費用面で相当高くなります。
また安全面での懸念もあります。
 
ドローンは、安全対策や行政への申請をクリアし、操縦士がいれば飛ばすだけなので、時間短縮、コスト短縮になると考えています。
あとは、撮影したデータをどう解析するかについては、AI がデジタル上で解析できるようになると、よりドローンの活用が進むと考えますね。
 
東急コミュニティー 鈴木様:
それから管理会社の視点でいえば、大規模改修の時期をご検討いただく際にもドローンは活用できると思います。
日常点検からドローンを活用し、その段階から劣化状況を確認できることで、そのマンションに合った大規模改修工事の検討時期を前々から逆算してご検討いただくこともできると考えています。
 
ハミングバード:
今はまだ、日常点検にドローンを活用するところまでは至っていないですが、それが当たり前になると、もっと早い段階で問題箇所が検知できるということですね。
 
東急コミュニティー 鈴木様:
はい。そうですね。 

「法令への対応」と「安全管理」が課題

ハミングバード:
日常点検でドローンを活用するにあたり、現状感じている課題があれば教えて頂けますか?
 
東急コミュニティー 小山様:
不定期に変更される「法令への対応」と「安全管理」ですね。
法令への対応については、「知らないうちに法を犯していた」というのは一番避けなければなりませんので、常にアンテナを高く張っておく必要があります。
 
さらに、点検はお客様がお住まいの中で実施しますので、プライバシーの問題もあります。
ここを納得して頂いた上でないと作業は行えないので、周囲への認知も大事になってきます。
これらの問題がクリアになればドローンは日常点検に使えるものになると思います。
 
ハミングバード:
日常点検をドローンで行える日もそう遠くは無いですよね。
なお、今後、御社内においてドローン操縦士は増やしていく方向性でしょうか?
 
東急コミュニティー 鈴木様:
そうですね。その方向です。
 
東急コミュニティー 小山様:
今後は情報の展開、共有が重要です。
現状は法律や条令など、ドローンに関するルールの共有は一部のメンバー内で行っていますが、今後は社内全体への周知が重要だと考えています。
現在も社内報にも載せていただき、少しずつ周知をしていますが、できれば資格保有者を増やし、勉強会という形で様々な部署のメンバーにも情報を周知していきたいですね。
ただし、自社でやる部分とパートナーを組む部分と両方を進めていく形です。
 
ハミングバード:
内製化と協力会社などのパートナーシップと、両方を走らせていく感じなのでしょうか?
 
東急コミュニティー 小山様:
そうですね、そこは両輪で行きたいと考えています。
我々が資格を取得した理由として、実際に発注する我々が「ドローンでできる事」を理解していないと、何ができるか、何がしたいか、というのが立てられないと考えています。
ですので、当社にも操縦できる者、詳しい者を配置することが重要と考えています。 

「ドローンでこんなことができる」を提案して欲しい

ハミングバード:
ありがとうございます。
操縦士育成という点で言いますと、ドローンスクールに期待することがあれば、ぜひご意見をいただけますでしょうか。
 
東急コミュニティー 鈴木様:
社内でこれから資格を持つ方が増え、管理体制の幅が広がっていくと、水平展開だけでは対応できない点が出てくると思います。
特に法令への対応に関しては、法令が変わったタイミングなどに説明会や情報共有などをして頂けると、社内でも認知度を深められて助かりますね。
 
東急コミュニティー 小山様:
私はドローンをメインでご相談できるパートナー企業さんを増やしたいですね。「ドローンでこういうことができますよ」という情報提供を頂けると、ビジネスパートナーとして色々と取り組みができると感じています。
 
スクールの講師の皆さんは私たちよりも高いアンテナを持っていらっしゃるので、最新技術や法令関係、事例でも結構ですので、そういうところを共有頂けるとありがたいです。
 
あとは、当社ではソフトウェアの習熟がまだ不足していると感じています。
例えば設定をこうするとどうなるのか、緊急時はどんな対応が必要かなど、ソフトウェアの操作方法について、もう少し詳しく聞いてみたいというのはありますね。
やはり、絶対に事故は起こしてはならないので。
 
東急コミュニティー 鈴木様:
これから、日常点検にもドローンを導入していくとなると、それだけドローンを操縦できる人数を増員していくことにもつながるので、幅が広がる分、各人に対しても同じくらいの知識とか理解度を広めていく必要があります。そういう面でもぜひご協力を頂けるといいなと思っています。 

ハミングバード:
ありがとうございます! 他にこれは伝えておきたいがあれば、ぜひお願いします。 

設備点検にもドローンを活用したい

東急コミュニティー 鈴木様:
当社は建築だけでなく、設備も見ている会社でもあるので、ビジネスとして、設備に対してもドローンを活用できるような新規提案とか事例紹介があれば、今後共有頂けると助かりますね。
 
例えば、スタジアムの管理などもさせて頂いているので、そういうインフラ点検などです。
最近ですと、マイクロドローンがダクトの中に入っていって、というのも聞いたことがあるので、そのようなものを踏まえて設備点検への活用ができるのではと考えています。
 
ハミングバード:
なるほど、大型の施設の内部や屋内点検などですかね?
 
東急コミュニティー 小山様:
そうですね。今後の展開としては、そちらも大きな可能性があると思います。
もちろんダクトの中を飛ばすとなると、相当の操縦技術が必要になると思いますので、私たちだけではできない可能性はありますので、協力頂きながらになると思います。
 
ハミングバード:
こちらは今後当社でもご支援できる点があると思いますので、またご連絡差し上げますね!
本日は長時間にわたりインタビューに回答いただき、ありがとうございました。 

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