インタビュー

【ドローン未来通信vol.20】大田区議会議員 海老澤 圭介様

ドローン未来通信では、様々な方に今後のドローンの可能性についてインタビューを行う企画です。
20回目の今回は大田区の区議会議員である「海老澤 圭介様」に大田区におけるドローン活用や今後のドローンをビジネスで有効活用していくにあたっての課題やドローンスクールに期待されることをお伺いしました。

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海老澤 圭介
昭和46年9月21日(1971年)生まれ
東京都大田区仲池上 出身

【略歴】
私立 世田谷学園高等学校 卒
立正大学 仏教学部 卒
大学卒業後、不動産会社勤務
 
平成23年 39歳 大田区議会議員 初当選
平成23年・平成25年度 自民党大田区民連合 副総務会長
平成25年度 地域産業委員会 副委員長
平成26年度 自民党大田区民連合 福政調会長・副総務会長を歴任
平成26年度 こども文教委員会 委員長
平成26年度 大田区議会スポーツ推進議員連盟 理事
平成31年 大田区議会議員選挙 再当選
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ハミングバード鈴木:
大田区では今後ドローンについて、どのような取り組みの可能性がありますか。

海老澤氏:
大田区にも大田区ドローン協会という、いろんなことにドローンを活用していきましょうという私設の団体があります。
活動としては、子どもたちにドローンの操作を教えたり、ドローンによってこんなことができますよということを教えていきたい、という趣旨で集まっているということです。

その代表の方と同じ地区に、私の先輩議員がいらして、子どもたちの教育の場で使えないかと何度か手配して、そういう形のことをやったということがあります。
ただ、学校単位で子どもたちに向けてカリキュラムとしてやりたいという要望が上がってきて、教育委員会が許可をしてとか、教育委員会が率先して子どもたちにやらせなさい、ということではまだないですね。
大田区もプログラミング教育を始めていますので、自分達で作って飛ばせるような教育へ向かっていけば面白いのかなと思いますので、進めていきたいですね。
 
ご存知のように、大田区は品川区と一緒で、羽田空港を抱えているものですから、高さの制限ですとか、屋根のある所以外でドローンを飛ばすことには制限があるのですが、体育館の中を使ったり、大森に「ふるさとの浜辺公園」があるのですが、そこに「新スポーツ健康ゾーン」というのを作りまして、フットサル場を作りました。
そこは天井までネットで囲まれているので、イベント時にドローン協会さんのほうで飛ばしたという話は伺いました。
「大田区総合体育館」という大きな体育館や、京急蒲田にある「産業プラザPiO」という建物も天井が高くて、そこでドローンの競技ですとか、あとは、去年の9月くらいに工業系の飛行ロボットを飛ばしたということも聞いています。
 
そういったことをやる際、どの部署がどういう形で担当するのかというと、今は専門のセクションがなくて、その都度、その会場を管轄する部署などに連絡して使用許可を得るというのが現状です。
 
また、災害時の活用についてですが、大田区は、一昨年(※2019年)に多摩川が氾濫して田園調布が被害を受けましたが、水浸しになった被災地を調べる際に、ドローンを使うことは考えなかったのかを担当部署に聞いたところ、警察と消防が対応しましたが、民間の会社を使って、ドローンで調査するといった依頼はしたことがないとのことです。
 
あとは大田区も、8月15日に平和の祭典、鎮魂の意味での花火があり、また、11月には大田フェスタ(OTAフェスタ)という平和島の競艇場の周りの公園を借り切ってお祭りを2日間やるんですが、そういう時に会場をドローンで空撮すると、大田区のアピールにもつながると思います。
この花火はけっこう低いところに打ち上げる花火なので、大きく見えるものですから、下から見るのと、また、上からドローンで見た映像も撮っておくのも、行政としては民間の方のお力を借りてやっていくべきでは、といった話も出ています。
ハミングバード鈴木:
日本は、外国に比べて台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などの自然災害が発生しやすい国土です。災害発生時に素早く正確に状況を把握するために、ドローン活用が必要と考えますが、海老澤先生としては災害とドローンの関係についてはどのようにお考えでしょうか?

海老澤氏:
本当に、災害、天災っていうのは忘れた頃にやってくる、いつ来るかわからないですからね。備えだけはしっかりやっていかないといけない。
私もいろいろな地域で活動しながら防災訓練にも参加させてもらいますが、やはり意識を保っていくのが難しいと感じます。

防災訓練は、毎回、同じような感じになりがちで、本当に有事の際、同じ動きができるのかと思うこともあります。
でも、ルーチンワークをやっていかないと、いざというときに全く動けないというのがあるからこそ、反復でやって身体に覚えさせるんだとは思うのですが、防災訓練に参加しているのは年配の方が多く、若い人がなかなか出てこないんですよね。

そういう部分で、ドローンでこんなことをやるんですっていうことができれば、子供や中年層の人達が、「こんな方法で災害時に役立つんだね、ドローンは」というような形になれば、防災訓練もまた違うステップに上がれるかなと思います。
最初は限られたスペースの中で、ドローンによる災害の時にこうやりますよ、と見せるのでもいいと思うのですが、ゆくゆくはドローンによる避難誘導ができると良いですね。

ハミングバード鈴木:
新宿区は、都庁の前でスピーカーを積んだドローンを飛ばして、避難誘導をする訓練をしています。
人が集まっている場所で、それをうまく分散させて避難誘導するというのをドローンでやりましょうという取り組みをしていますね。

海老澤氏:
大田区も、防災無線に関してはいろんな意見が出ていて、誰がどこに向けて発信しているのかわかりにくい、大田区全部で同じ情報を流されても、大変な場所と大丈夫な場所とを混同してみんな怖くなるから逆にやめてほしいという声もあって、今は逆に、「取りにいける防災無線」として、大田区がナビダイヤルをやっていて、そこに電話すると防災無線が聞けるというサービスを提供しています。

『いろんな所にスピーカーがあって、反響しあって、何言っているのか全然聞こえないよ』、っていうのもあるので、聞き取りにくい方々のためにスタートしました。
ですから、聞き取りやすい情報は、電話でも聞けるようになったんですけど、携帯電話は、停電になって電池も切れましたとなったら、どうやってこの電話情報を聞くのかという問題も出てくるので、やはり、大きなスピーカーでの全区に向けての放送というのはなくせないですね。

そういった部分で、ピンポイントでドローンが行って、そこの場所にいる人たちに、「大変混雑しているので、こちらに避難してください」とか、帰宅困難者を生むような場所では、「今はどこどこは人が溢れていて」などアナウンスできるのかなって思いますね。
 
他方で、そういった取り組みについて、危機管理の担当者と話した時に、「民間の方にそれをお願いするのは危険ですよね」という話がでましたね。
台風19号(※2019)の時は田園調布に対しては激甚災害指定が出たので、国や東京都から優先的に人が入ってくる形になったので、民間の方にそこに足を踏み入れていただくことはしなかったという経緯があるので、民間企業の方に協力を得るというのは二の足を踏んでいたのかと思います。
ただ、それは有事ですから、今、平時の際にいろんなパターンとして、こういう時にはこうと、ケース・バイ・ケースの形をしっかりと危機管理の方で持っていないと、何時どういう災害が起きるのかわかりませんので、準備をしておくのは悪いことではありませんので、防災訓練と同じですね。
 
大田区は、羽田空港を抱えていますが、海も抱えています。東京湾の中の区でもありますし、多摩川も抱えていますし、大雨が降って小河内ダムの水が一杯になったので放流しますということになれば6時間くらいでこちらに到達します。
水辺ということで、地震だけでなく、大雨や台風の影響も軽視できません。

また、多摩川、荒川とか、川を抱えている行政は皆そうだと思いますが、スーパー堤防といわれている土手があります。
住宅地と、住宅地の「地先」と言われている河川の引き込みの「のりしろ」の部分、あそこは水を貯められる場所という形で、平時は野球場ですが、有事は水が氾濫しても大丈夫という「のりしろ」と国の方でも考えています。

台風が来る時は、野球場のネットは全部倒して、そこに水が出ても最後の砦であるスーパー堤防さえ超えなければ、というのでやっています。
そうなると、こないだの19号の時もそうですが、あと何十センチでスーパー堤防を超えるよというところまでいった訳です。
それで、水位がひくまでに時間がかかりますよね。そうすると、ヘリコプターで救助隊が来て、多摩川の住所不定の方々が取り残されていないかを救急隊が消防と一緒になって探しに行ったりするんですけど、そういうことも大田区がということになれば、氾濫している川の上をドローンが飛んでいって確認しに行けるのかなというのもあります。

先程の話で、民間の方々にお願いするのは・・・ということなのか、大田区が危機管理課の方できちんと講習を受けてドローン操縦の資格をもって、ドローンを何台か持っていて、そこを捜索に行くっていうのができるようになればと思います。
ハミングバード鈴木:
今後、ドローンが都内等の人口集中地区で活用を広げていくにあたっての課題を教えてください。

海老澤氏:
我々、議員だけでなく、行政も民間もそうだと思いますが、実際にパイロットの資格を取った時に、立ちはだかるのは、どこなら飛ばしていいのか駄目なのか、という問題だと思いますね。
大田区として自由に飛ばしていいよという場所は当然無いですし、多摩川の河川敷はありますけれども、ドローンに開放している訳ではありません。
天井の高い体育館もありますし、ある程度の高さまで飛ばせる室内、まずは何かあってもドローンが飛び出していかない所で進めていくしかないと思うんです。

そして、パイロットの資格をもって、仕事の場面で役立ててもらって、大田区だけじゃなく行政も持っている、建物の老朽化の点検が、足場を掛けないでできますよという部分に期待があります。
老朽化によるクラックが入っているのを、映像でどれだけ拾えるかっていうのもありますし、職人さんが叩いて点検しなくちゃいけないような場面もあるかとは思いますが、どうしても人が上がっていけない場所、届かない場所などに、土木や建設の部署から、ドローンに興味を持ってもらって、ぜひ大田区も取り入れていこうよというようなムーブメントが起こればいいなと思っています。
 
他には、子どもたちへの教育の場面ですが、大田区は工業の街とも言われていますし、東工大さんとも連携して、サイエンスの特別学校を作ったりもしていますから、工業系に興味を持つ子どもたち、ロボコンに出るような子どもたちを育成していく、そういう形で、いろんな方向性を出していくということもいいですよね。
ハミングバード鈴木:
現在、多くのドローンスクールが存在していますが、今後ドローンスクールに期待されることを教えてください。

海老澤氏:
私の先輩議員も、これからドローンについて行政としてもしっかりやっていくべきだという話をずっとしていて、そういった際にお手伝いをいただきたいですね。
羽田に近いですし、ドローンはある程度の高さまでかもしれませんが、イベントなどの活動の報告として、ドローンで撮影した映像を載せられれば、区民が楽しめる大田区になってくると思うので、そこは私も興味はあります。

私もスクールにお邪魔して資格が取りたいなと思うくらい興味は持っていますし、そういった所で、またいろいろ勉強させてもらいたいと思いますので。よろしくお願いします。
 
ハミングバード鈴木:
本日は貴重なお話、ありがとうございました。
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