インタビュー

【ドローン未来通信vol.9】中野区議会議員 加藤 たくま様

ドローン未来通信では、様々な方に今後のドローンの可能性についてインタビューを行う企画です。
9回目の今回は中野区の区議会議員である「加藤 たくま様」にドローン活用や今後のドローンをビジネスで有効活用していくにあたっての課題やドローンスクールに期待されることをお伺いしました。

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加藤 拓磨(かとう たくま)
1979年7月3日生まれ
東京都中野区出身
中央大学大学院理工学研究科 土木工学専攻 博士課程前期課程 修了
博士(工学、中央大学大学院)取得

【学 歴】
1998年 東京都立富士高等学校 卒業
2003年 中央大学理工学部土木工学科 卒業
2005年 中央大学大学院理工学研究科 土木工学専攻 博士課程前期課程 修了
2010年 博士(工学、中央大学大学院)取得

【職 歴】
2007年4月 中央大学理工学部 教育技術員
○大学教授のサポート、学生指導、環境問題・水循環等の研究
2009年12月 国土交通省 国土技術政策総合研究所 河川研究部 研究官
○ゲリラ豪雨(XRAINの開発)、防災・減災、地球温暖化による影響等の研究
2014年4月 一般財団法人国土技術研究センター 河川政策グループ 研究員
○気候変動に伴う洪水・渇水対策
2015年5月 中野区議会議員(現在2期目)

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ハミングバード鈴木:
早速ですが中野区では2020年3月に中野サンプラザでドローンを飛行されましたよね。
こちらは加藤様が企画して実施されたと伺いましたが、経緯を教えて頂けますでしょうか。

加藤氏:
私自身が以前からドローンの可能性を感じており、DID地区である中野区でどうやってドローンを飛ばせるかを思考しておりました。結論、国交省の飛行許可を取得し、中野区の管理する敷地内であればOKであることが分かり、中野サンプラザで建物診断の実証実験を行うのは有効ではないかと考えました。

すぐに国立研究開発法人建築研究所の宮内先生に連絡したところ快諾いただき、一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会、西武建設株式会社の3社にご協力頂くことで話がまとまりました。
そして2020年3月17日に中野サンプラザで実証実験を行いました。

実際の実証実験の動画(西武建設様 公式チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=J8htww7YO08
ハミングバード鈴木:
そうでしたか、今回の実証実験を踏まえ、今後は中野区でドローンをどのように活用したいとお考えでいらっしゃいますか?

加藤氏:
私としては中野区をドローンの「国家戦略特区」にすることを目指しています。ドローンに関する技術者やお金が集まる環境を作れればと考えています。そして最終的には建物診断ドローンのプロダクトを作っていくことが目標です。
そしてそれを世界で販売していきたいですね。

ハミングバード鈴木:
いいですね、そこまで考えていらっしゃるのですね。

加藤氏:
はい、都心部に特区を作るのは目指したいです。
ただ、課題もあります。都心部ですとGPSがロストし、制御できないケースがありました。
GPS信号を改善するのは容易ではないと思いますので、都心部でドローンを飛行させる対策として、地上から座標情報を複数箇所から送れる仕組みが必要でしょうね。
 
そして、今後はドローン機体に非接触での赤外線の技術も上がりますし、3D、レーザー撮影も進んでいくと考えています。
そして国としても都心部でドローンを飛ばせる制度設計、制度改定がもっと進むと考えていますので、可能性は十分にあると考えています。
ハミングバード鈴木:
なるほど、ありがとうございます。
次に災害に関してですが、災害に関するドローンの活用はどのようにお考えでしょうか。

加藤氏:
災害が発生した際の被害を最小限にするためにも建物診断は重要と考えています。
建物の劣化を早期に発見できれば簡単な補修で直せるはずです。
特にマンションの屋上、屋根は管理できていないケースが多いです。
例えばそういった箇所をドローンで撮影し、「このマンションの屋上は危険です」といった情報を把握できれば管理会社の手間も省けるし、早期発見にも繋がったりできると思います。
もちろん他人の敷地を跨ぐとなると法律、制度の問題がクリアになる必要があるのですぐには難しいですが、将来的にはそういう未来があってもいいと思います。
 
あとは、私がもともと国土交通省で河川災害、洪水災害を専門にやっていましたので、ドローンをどう使うかみたいな話は当時から議論していましたね。
一級河川は国の管理で定期的に巡視していますが、予算の関係で細かい部分までは見切れなくなってきています。そこでドローンを活用して監視しましょうと。災害予防を目的とした河川でのドローン活用は必要になってくると思います。
ハミングバード鈴木:
なるほど、分かりましたありがとうございます。あとはビジネス的な部分ですよね。
今後、ドローンが都内等の人口集中地区で活用を広げていくにあたっての課題を教えてください。

加藤氏:
やはり現在の法律では都心部でいきなりドローンを飛ばすのは無理なので、まずは敷地内から飛ばしていくこと。そして、リード付のドローンで落下防止を行った状態で活用を広げていくのが良いですね。
 
また、先ほど申し上げたようにドローン機体にはGPSに頼らない仕組みを開発する必要であり、重要です。地上から座標情報を複数から与えるような技術ですね。
 
そういうことをクリアしながら、技術を作った上で、見合ったルール、制度を作っていくことが大事ですね。そこに私たちも参画できればと考えています。
ですので、「ドローンの技術革新」と「制度変更」この二つがないと都心部では絶対に活用が進んでいかないと思っていますので、そこら辺に対してちょっと尽力したいなと思っています。
ハミングバード鈴木:
なるほど、わかりました!頼もしいですね!
最後にドローンスクールに期待されることを教えてください。

加藤氏:
もちろん技術を学ぶことも大事ですが、スクールではモラル的なところを培われることが最も重要だと感じています。
といいますのも、以前に花火をドローンで撮影する企画があったのですが、当日の風の強さからパイロットの方が「危険なので飛行しない」という判断を下されて、ドローンを飛ばせなかったことがありました。ドローンを飛ばして欲しいという気持ちは勿論ありましたが、これまでの経験やノウハウに基づき「飛行しない」判断をされたのは素晴らしいことだと感じました。
そのような判断をすべてのパイロットが持っていればいいけど、そうでない人がいると、結果的に事故が発生し、ドローンに対するイメージも悪化してしまうと感じます。ですので、スクールではそういったモラルをしっかり学んで欲しいですね。

ハミングバード鈴木:
そうですね、私たちのスクールでも法令を遵守し、安全・安心に飛行できることを学んでもらうことを最も重要視しています。
本日は貴重なお話、ありがとうございました!

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