インタビュー

【ドローン未来通信vol.7】板橋区議会議員 坂本 東生様

ドローン未来通信では、様々な方に今後のドローンの可能性についてインタビューを行う企画です。
7回目の今回は板橋区の区議会議員である「坂本東生様」にドローン活用や今後のドローンをビジネスで有効活用していくにあたっての課題やドローンスクールに期待されることをお伺いしました。

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坂本東生(さかもと あずまお)
1978年7月15日生まれ
東京都板橋区成増出身

法政大学大学院政策創造研究科修了 政策学修士

【経 歴】
平成09年03月(1997年) 早稲田中学高等学校卒業
平成09年09月(1997年) トルコ・ボアジチ大学英文学科入学(Bogazici University)在学中より国際交流活動を開始 現地で古武道を指導
平成13年09月(2001年) 英国・マンチェスターメトロポリタン大学入学(Manchester Metropolitan University)
平成16年06月(2004年) 英国・マンチェスターメトロポリタン大学政治学科卒業 帰国後、中国の浄水事業に携わり環境問題に取り組む
平成19年04月(2007年) 板橋区議会議員に28歳で初当選
平成22年12月(2010年) 自らの区政報告会にて伝統文化の新しい継承の形を披露、新境地を切り開く(獅子舞の映像はYouTubeで)
平成23年03月(2011年) 法政大学大学院政策創造研究科修了 政策学修士
日本屈指の経済学者として日本の政治・経済を研究し、多くの研究者や優秀な人材を輩出した黒川和美教授のもとで、「黒川ゼミ」最後の研究生として学ぶ。
平成23年04月(2011年) 板橋区議会議員 第二期目の当選
平成27年04月(2015年) 板橋区議会議員 第三期目の当選
平成31年04月(2019年) 板橋区議会議員 第四期目の当選
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ハミングバード鈴木:
板橋区として、ドローンへの取り組み、今後の可能性をお聞かせください

坂本氏:
現在は自治体のニーズとドローンの優位性という部分がなかなか被らないのが現状です。
ドローンは人が行けない場所や、リアルタイムや手軽さに優位性があると思いますが、行政として不足している場所、部分にドローンを適用できるかという視点になると、まだまだ活用検討まで至っていないのが現状です。
一方で議員のみんなもドローンには凄く可能性は感じていて、何らかの使用法があると思っています。
 
中野区は公共施設の点検を実施したり、板橋区もハミングバードさん、ノエマエンジニアリングさんに建物点検を実施してもらったこともありますが、実用化となると打診検査にまだ追いつけていないという感覚があるかもしれません。
世界的に有名な都市部であるニューヨークやロンドンといったDID地区(人口集中地区)で、実際に社会課題を解決したって事になると、まだまだ事例も無いですからね。

とはいえ、絶対にドローンが生きてくる使い道はあると思うので、どう筋道をつけていくかですね。
国が都市部の法整備をどうしていくかがポイントですね。
 
この間CNNで見たんですが、LA五輪の開会式で、人がジェットで飛ぶパフォーマンスがありました。
あの技術を使って、イギリスの湖水地方で、お医者さんが飛んでいくらしいんですね。湖水地方は住所の落とし込みも難しいらしくてですね、かつ山なので人が行くのも大変なようなんですね。
とはいえ、ハイキングしている一般の人なんかは多いらしくて、怪我をした人の連絡が入るとジェットで飛んで行って、応急処置とヘリコプターが必要かどうかの連絡をするというのを、始める段階だそうです。

これはテクノロジーとニーズがマッチしたケースで、それがドローンで出来ればいいですよね。
ハミングバード鈴木:
日本は、外国に比べて台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などの自然災害が発生しやすい国土です。
災害発生時に素早く正確に状況を把握するために、ドローン活用が必要と考えますが、坂本先生としては災害とドローンの関係についてはどのようにお考えでしょうか?

坂本氏:
板橋もそうですが、江戸川区や足立区も、荒川が決壊した時の対策としてドローンを用いることは有効だと思います。
あとは、木造密集地の火事の状況把握ですね。

ただ、都として全体で見ていかないと、区が一点突破してもダメなんですね。
結局、区をまたいだ時にどうするのかという話です。火事も水害も区はまたぐことになりますから。

例えば荒川もどこで決壊するかはわかりません。上流で決壊すれば全体を見なくてはなりません。
そういった意味では、東京都に旗を振ってもらって都条例で江戸川区さん、足立区さんと一緒に荒川を管理していく事が現実的だと思いますね。
 
なお、板橋区は、荒川の河川敷と最も高い所とだと、土地におよそ30mの高低差があります。
なので、高台の塔の上につけた監視カメラで、区全体が見渡せています。
舟渡の浮間公園に板橋区で一番高いビルがあるんですが、その上に定点カメラを設置することで、板橋区全域が見渡せています。
そういったこともあって、ドローンの優位性的なものは、地形的な特性上、現状でもカバーできてしまっています。
これが板橋区での災害対策としてのドローン活用を進められていない理由かと思います。

台風の時でも、火事が起こって、その場から煙が見えなかったとしても、定点カメラが発見してくれます。
電源の心配もなく、24時間監視してくれています。
板橋区の場合の荒川河川敷は、そこで対応できています。詳細は言えないですが、かなり精細に見えます。

以前に「板橋でもドローン使ってみよう」という話になった時に、災害対策としては、荒川河川敷のカメラで対策できちゃってるっていう話でした。
とはいえ、建物の状況やビルの裏とかは定点カメラでは見れないという話も出ましたが、今度は人口密集地区の問題が出てきてしまいました。

そういった意味で、前段のドローンを使いたいというより、課題対応のニーズという話に戻ると、板橋区の災害対策という意味では、ないかなと思っています。
そうなると、今度はニーズではなくウォンツの部分で、こんなことできたらいいなになるんですが、そっちの方が板橋にはマッチするかなと思います。
ハミングバード鈴木:
当スクールの受講生に板橋区の方もいらっしゃいますが、建設業など中小事業者の方から、区として、地域活性とか、雇用創出のサポートをしてくれれば嬉しいという声はよく聞きます。

坂本氏:
行政とハミングバードの卒業生とで意見交換の場を持ったりすると、凄く良いかもしれませんね。やってみましょうか?
ニーズとウォンツの掘り起こしとして、意見交換会、ドローンの勉強をされている方、資格を取ろうとされてる方の抱えている課題、問題意識と、行政が持っている物はリンクしていないので、マッチングさせると、アイディアは出てくると思います。
それはぜひ、企画しましょう。

ハミングバード鈴木:
スポーツセンターの時にお手伝いさせていただいた、株式会社ノエマエンジニアリングさんも、当スクールの受講生ですし。

坂本氏:
一つ建設系はあると思うんですが、他にドローンビジネスって何があるんですか?

ハミングバード鈴木:
弊社として多いのは建物点検が増えてきています。他にも一戸建ての屋根点検ですね。
弊社では少ないですが、農業活用も活発です。高速道路や道路橋の点検も盛んになってきていますが、区の道路橋や区有施設の点検状況はいかがですか?
 
坂本氏:
区が管轄する橋はあまりないんですが、板橋には石神井川、白子川と荒川の三河川がありますが、橋よりも暗渠ですね。
暗渠は東京都下水局で、災害対策の貯留菅、大雨が降った時のタンクにしているんですね。そこのダクトが詰まったりだとか、貯留菅から川へ戻す管が詰まって吹き出すようなことが、何度か起こっています。
そのチェックに使えたらいいですね。

下水道、これは都の管轄ですが、地下20mに直径8mの下水管が埋まっているんですが、こういった物も調べていかないといけないですね。
区で言えば、区役所庁舎ですよね。区で持っている一番高い建物がこれなので、保守点検をするというのはありますね。
 
他には教育分野ですね。
板橋区内の成増が丘小学校は、ブロックのレゴの世界大会、FLL、ファーストレゴリーグっていうのに出ているんですよ。
ここ2~3年でプログラミングを始めて、全国のモデル校になっています。
東京優勝、関東優勝、全国の部優勝みたいな感じで世界大会に進出して、世界中で16歳以下の大会を開催しているんですが、小学生だけで勝ち進んでいます。
今年からは、卒業した中学生達も合流して、合同チームになっています。
日本の全国大会は常連で、去年は一歩及ばず世界大会を逃したんですが、来月(2020年11月)の大会では世界大会間違いないと言われています。

その子達に、本当はレゴのテーマがドローンに関係すれば一番なんですが、例えば日ごろの授業で、空を飛ぶことが出来るドローンで、プログラムをして、どれだけ社会課題を解決できるかということを考えてもらうのはどうでしょう。一
例、二例くらい子供達に例を出して、社会課題解決について考えてごらん、っていうのも一つかなと思います。
それを、ずっと特集で組んで行くといいんじゃないかと思います。あの子達、本当に凄いので、大人が考え付かないような社会課題を解決してきますから。
恐ろしいですよ。プログラミングとか社会課題という物に対する考え方。
そこに上手くドローンが入り込めれば、プログラミングとドローンという物が、授業になるのか、チームのサポートになるのかどっちかにはなると思います。
 
成増が丘小はモデル校なので、全国のベースになっていきます。ここでドローンを利用した物がうまくいけば、日本中に広がっていきますよね。
ビジネスチャンスの側面もありますが、中山間地域の子達が、自分たちの町のドローンみたいな、例えば通学路にクマが出たとか、通学路のここが怖いとかいうのを解決する物を、子供達が開発するっていう時代はきっと来ますね。
 
教育でもう一つ。
今、GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクールというのがあって、GIGAスクールのソフト面でタブレットを活用しきれていないのはみんな分かっていて、全国の小学校で、こうやって活かせるんだという事例を、みんな待っているんですね。
なので、タブレットのプログラミングツールでドローンのプログラミングをして、社会課題を解決できるよってなるといいですよね。
それが課外授業とかの形で周っていくと、CSR(社会的責任)的な形で、社会貢献として認められますよね。
それで、実際プログラミングでドローンが飛ぶといいですよね。
大人のドローン大会より、子供のアイディアコンテストの方が、国も喜ぶんじゃないですかね。

ハミングバードさんにはソフト開発の面で頑張って欲しいですね。
GIGAスクールとドローンはまだつながってないはずなので、そこの架け橋になって欲しいと思いますね。
ハミングバード鈴木:
現在、多くのドローンスクールが存在していますが、今後ドローンスクールに期待されることを教えてください。

坂本氏:
ドローンが、社会基盤、インフラの一部にならなければいけないですよね。
ツールとしての空を飛ぶ物はなかなか他にないですし、タブレットやスマホなどのICTの一つとして、ドローンが汎用性をもって広がっていくことが社会を変えると思いますし、きっちりとしたユーザーを作る、コントローラーを作るというのが大事だと思います。

そしてモラルの啓発が凄く大事ですね。
一回事故が起こると、業界の進みに遅れが出ますし、一度立った禁止看板を外すのも大変なんです。
一般ユーザーの免許、国交省やメーカーからも、機体購入時に身分証明証の提示を求めたいですよね。

ハミングバード鈴木:
登録制への法整備は進んでいますね。

坂本氏:
それは良かったです!
トイドローンはしょうがないにしても、一定の大きさ以上の物は、飛んでいて恐いですからね。そういったことで、大人のモラルが変わっていく必要がありますね。子供にそれを正されるようではダメですよね。
 
先ほどの成増が丘小の例にもあるように、子供達に広がってもらうのが一番ですね。

ハミングバード鈴木:
本日は貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました!
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