ノウハウ

海外におけるドローンの機体登録・免許制について

日本では2022年からドローン機体の登録制が開始されますが、ドローンの免許制については現在検討段階にあります。
では、日本と比較して海外のドローン規制の現状はどのようになっているのでしょうか。
 
今回は主要な海外におけるドローンの機体登録・免許制の状況を詳しく紹介していきます。
ただし、各国の状況は変更になっている可能性があるので、海外でドローン飛行をご検討の方は必ず事前に旅行会社や現地大使館に最新のルール等を確認するようにしてください。
※2020年11月時点の情報です

1.海外におけるドローンの機体登録について

海外におけるドローンの機体登録について解説していきます。
機体登録とは、持ち込むドローンが誰のドローンかを把握できるように機体ごとに番号を付与して管理する方法になります。
まず、各国の機体登録制度について一覧でご紹介します。
 
国名 機体登録
アメリカ ◯(約250g〜25kgまでの機体)
中国 ◯(250g以上の機体)
カナダ ◯(約250g〜25kgまでの機体)
EU ◯(250g以上の機体)
 
では、それぞれの国の規制状況について詳しく見ていきましょう。
 
①アメリカ
アメリカでは、ドローンの商業利用が期待されており、法整備についても日本と比較してかなり進んでいます。
ドローンの機体登録制度については2015年12月から開始されており、250g〜25kgの機体を操縦する「13歳以上のホビー利用者」及び「16歳以上の商用利用者」を対象に機体の登録が義務付けられています。
 
オンラインでの申請も可能で登録料は5ドル、有効期限は3年といった内容になっており、発行されたIDを期待に貼り付けることが求められています。
 
登録はこちらから可能です。
https://faadronezone.faa.gov/
 
 
②中国
ドローンメーカー最大手の「DJI」など、ドローンの普及が他国に比べて進んでいる中国ですが、法整備に関してはスムーズに進んでいない現状があります。
それでも250g以上の機体を対象に登録が義務付けられています。
機体登録は中国民間航空局に申請を行い、発行されたQRコードを機体に貼り付けることが求められます。
 
登録はこちらから可能です。
https://uas.caac.gov.cn/login
 
 
③カナダ
カナダは2017年に娯楽目的で利用するドローンに対して、厳しい制限を設ける方針を立ち上げました。
背景には、カナダ国内での航空機との接触事故の増加などが挙げられるのですが、それに伴って機体の登録についても必須となっています。
 
2019年より新しい規制法もスタートし、娯楽・商用問わず250g〜25kgまでの機体を登録する必要があり、25kgを超える機体に関しては特別な運行証明書が求められます。
 
登録申請はオンラインでも可能で、登録料は5ドルとなっており、機体情報やシリアル番号、重量、種類、クレジットカードといった情報を登録します。
 
登録はこちらから可能です。
https://tc.canada.ca/en/aviation/drone-safety/registering-your-drone-overview
 
 
④EU
EUでは、2019年にドローン使用を規制する方針を発表しました。
150m以下の低高度飛行空域「U-Space」の導入に向けて、250g以上の機体に対して登録を義務付けており、U-Spaceにおけるドローンの飛行が管制システムの管理下に置かれる形になるようです。
 
未登録のドローンを使用した場合、罰金刑が課されるようにもなっています。

2.海外におけるドローンの免許制について

次に、海外におけるドローンの免許制についてご紹介していきます。
免許制の有無についての各国の状況は、以下のようになっています。
  
国名 免許制の有無 免許制の内容
アメリカ あり 娯楽用と商用で異なる
中国 あり ドローンの重さや飛行法により異なる
カナダ あり 14歳以上は用途問わず必要
EU 原則無し ※フランスは目視外飛行のみ免許制度有り

では、それぞれの国の詳しいルールについて見ていきましょう。
 
①アメリカ
アメリカにおいては「娯楽用」「商用」でドローンに関する免許制度がそれぞれ実施されています。
娯楽用に関しては、16歳以上の年齢制限を設け、筆記試験に合格した者でなければドローンを操縦することはできません。
商用に関しては、16歳以上の年齢制限と、24ヶ月おきに米国運輸保安局(TSA)が実施する航空学試験と身元調査に合格しなければなりません。
 
②中国
中国では小型無人機を「Ⅰ〜Ⅶ類」にまで分類し、Ⅵ以上の大型ドローンに関しては、飛行範囲により当局が発行する操作免許の取得が義務付けられています。
ただ、Ⅰ・Ⅱ類(機体重量4kg以下、積載重量7kg以下)の機体に関しては、免許の取得がなくても操縦できます。
 
③カナダ
カナダでは、ドローンパイロット証明書の取得が義務付けられています。
14歳以上の年齢制限が設けられており、35問の問題に対して65%以上の正答率で合格となります。
さらに、パイロット証明書の所有者は、24ヶ月ごとに「筆記試験の再受験」や「安全セミナーや学習・訓練プログラムの受講」が求められます。
2年以上失効させると、認定を失うこともあります。
 
④EU
EU全体では、ドローンに関する免許制度は導入されていません。
ただ、フランスに関しては目視外でドローンを操縦するパイロットに関しては免許の取得が求められています。
免許の取得には、一定期間の研修及び実技・筆記試験の合格が必要です。

3.日本のドローン規制はどうなっている?

海外のドローン規制について見ていきましたが、機体登録や免許制など法整備が進められている国が多く見られます。
日本では2020年11月時点で登録・免許に関する規制は存在しませんが、将来的な方針についてはどのようになっているのか見ていきましょう。
 
①2022年までに登録制へ移行
ドローンの機体登録制度については、2022年を目処に航空法の改正案によって導入されることが決定しています。
航空法が規制対象とする200g以上の機体に対して、氏名や住所、機体の種類といった情報を国土交通省へ申請し、個別に配布されるIDを機体に貼り付けるなどが発表されています。
無登録飛行に対する罰則も課せられることが見込まれています。
 
②免許制度を創設する方針
免許制度に関しては、登録制度ほど具体的な法整備が計画されているわけではありませんが、将来的に創設する方針を示しています。
現状、民間で取得できる資格はありますが、国家免許制度が導入された場合に、どのような扱いとなるのか注目です。

海外におけるドローンの機体登録・免許制について紹介していきました。
日本と比較して海外では、機体登録や免許制といった法整備がかなり進んでいる印象です。
将来的に日本でも機体登録や免許制が導入される方針となっているので、今後の動向をチェックする必要があるでしょう。

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