ノウハウ

【ドローン未来通信vol.1】ドローン操縦士協会(DPA)代表理事 吉野次郎様

ドローン未来通信では、様々な方に今後のドローンの可能性についてインタビューを行う企画です。
第一回目として、ドローンスクールお台場の資格元でもある「一般社団法人 ドローン操縦士協会」の代表理事 吉野次郎様にインタビューを行いました。

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<代表理事 吉野次郎様>
京都大学大学院経済研究科修了、ハーバード大学行政大学院ケネディスクール修了(MPA)
株式会社電通総研、内閣官房内閣内政審議室教育改革国民会議担当室、株式会社電通の営業局を経て2013年に独立。
電通営業局では、大手消費財メーカー担当アカウント·エグゼティブとして、マーケティング、プロモーション、ブランド戦略に従事。
2016年よりDPAの活動に参画、ドローン操縦士回転翼3級の制度設計を担当。2018年より現職。
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最初にドローン操縦士協会(DPA)の活動内容について教えてください

一番大きな活動はドローン操縦士の育成のための制度運用、認定証発行です。
全国に正会員(DPA認定校)と呼ばれるドローンスクールが27あり、そこでDPAが認定したカリキュラムを受講された方に「ドローン操縦士回転翼3級」の認定資格を発行しています。
ドローン操縦士回転翼3級には東京海上の「DPAドローン総合保険制度」を自動付帯しており、空の安全制度にも貢献しています。
また、受講生だけでなく、インストラクターの育成、認定資格発行も行っています。
日本ドローン無線協会やウェザーニュース、行政書士の方と連携し、各分野の専門家を招いてインストラクターの育成を行っています。
 
国内においてドローンを普及する活動としては、政府の関係各位と密にコミュニケーションを取りながら、無人小型航空機の制度設計にも関わっています。
具体的には、政府と民間の間で発足した官民協議会にドローン操縦士協会(DPA)は発足当時からメンバーとして参加しています。
現在50近いドローンの管理団体が存在する中で、官民協議会に参加している民間団体は、DPA、JUIDA、ドローンコンソーシアム、農林水産航空協会(DPAと姉妹関係)、DJIの5団体のみとなっています。
また、その中で「国家技能ライセンス制度」について議論しているワーキンググループに参加している民間団体は、DPA、JUIDA、ドローンコンソーシアムの3団体のみとなります。DPAはその中で日本のライセンス制度の方向性について協議を進めています。
 
それ以外にDPAでは市場調査も行っています。
過去にはPwCに協力いただき、「ドローン操縦士が何を求めてスクールに来ているか」を調査、発表を行いました。
DPAだけでは調査できない部分においては、ドローンを最前線の現場で活用している正会員のハミングバードの市川さんやオリコミ社の石原さんをDPA研究員としてお招きし、新しいドローンの活用方法の検討を日々進めています。

DPAの特徴、強みについて教えていただけますでしょうか

DPAでは正会員のスクールは全て常設の施設(ドローンの専用コート)を保有している点が他団体との大きな違いです。ですので、どのような天候でも受講生は講義を受けることができるようになっています。
また、DPAでは受講生がインストラクターからマンツーマンで指導を受けられる点も特徴です。
自動車教習所の教官が危険時にブレーキを掛けられるのと同様に、DPAでは2台のプロポ(操縦機)を使い、危険な操縦があった場合にインストラクターが操縦を切り替えられるトレーナーコードという仕組みを取り入れています。
 
マンツーマンの指導を行うために、DPAのインストラクターは高い操縦技術を保有しているのも特徴です。
インストラクター試験(実技試験)がかなり難しく、試験を合格できるのは全体の6割です。そしてDPAのインストラクターは外壁点検などの実務経験を行うことを推奨しており、多くのインストラクターが現場経験をお持ちです。現場で培った経験をスクール受講生にお伝えできているのも他スクールにはない強みです。

今後のドローン業界についてご意見をお聞かせください

まず免許制に関して、2022年のドローン免許制に向けて官民協議会で議論していますが、
恐らくいきなり全てが免許制に切り替わるのではなく、段階を踏んで免許制が進むと考えています。制度自体はヘリコプターの試験制度を参考するのではないかと考えてます。

◆小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会
 
ビジネス面でいうと建設業では外壁調査等の点検において規制緩和が行われるとドローンの需要が一気に高まると考えています。ドローンでの撮影データが報告レポートとして認められれば、多くの企業がドローン点検を積極的に取り入れるでしょう。
物流でいえば離島や山間部ではすでに実証実験がスタートしています。そこでのデータが蓄積されれば物流ビジネスも更に進展すると思います。
自治体においても消防の分野での利活用は更に進むと考えます。

DPAとしての役割、実現したいことを教えてください

ドローンはあくまで手段であり、スクールに通う方は課題解決を求めています。DPAのスクールでは操縦技術を学べるだけでなく、ソリューションとしてサービスを提供できるスクール、団体になっていくことが今後は求められていると感じています。
その中で産業用、高いレベルでの操縦技術を提供できる団体として存在価値を高めていきたいです。
 
将来的には目視外飛行を含めた資格取得も進めていく考えです。その為の指導をできるインストラクターの育成、施設が必要となってきますので、その部分を正会員のスクールと一緒に進めていきます。

ドローンスクールお台場に期待されることを教えてください

東京は人口が多いですが、一方でドローンを飛ばせる場所が少ない分、人口当たりのドローンスクールは少ない状況です。
その中でハミングバードは都心にあり、ドローン業界の中では歴史が長く、インストラクターの経験値も非常に豊富なので都心部における操縦士の育成面では非常に期待しています。ハミングバードのインストラクターは全員試験を一発で合格されていますからね。
 
また、都心部には多くのビルがあるので、外壁点検等の実績を更に積んで頂きたいと考えています。
さらに東京都の中には多くの自治体があり、自治体との連携による新しい事例作りも期待しています。都心での事例が日本全体にも良い影響を与えることができると思います。

最後にドローン操縦士を目指す方にメッセージをお願いします

ドローンを使ったサービスはこれから更に伸びてきます。日本でドローンが普及し始めてまだ4~5年です。今後5年もすればドローンは日常的なものになり、今までニュースとして取り上げられたことが、今後はニュースにならなくなるでしょう。
ますますドローン操縦士の需要は高くなっていくと思います。
 
ドローンで撮影したい、点検したい、農薬散布したいなど、ドローンに興味をお持ちであれば、まずは無料体験会に参加されることをお勧めします。
 
純粋にドローンを飛ばすことも楽しいですしね。
特にハミングバードさんは都心にあるので、関東圏の方は参加しやすいと思います。


 
<一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)> 
2016年に設立されたドローンの安全飛行のための技術·知識の普及を促進する団体。
ドローン操縦士回転翼3級の資格の発行を行っている。
国土交通省認定管理団体、小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会メンバー
https://d-pa.or.jp/

インタビューを終えて

2020年9月現在、ドローンスクールの数は全国800近くに上り、資格発行団体も50以上と競争が非常に激しくなってきています。
一方で、スクール受講を検討されている方からは「結局どの団体の資格が良いのか?」といった疑問や不安の声を当スクールでもよく頂戴します。

DPAには回転翼3級の資格発行団体としての認知、啓蒙活用だけでなく、
官民協議会を通じてドローンのルールや制度化についても政府と協議を進めて頂きたい点を改めてお願いしました。


吉野様は終始穏やかな口調でしたが、言葉の節々から「ドローン業界全体を盛り上げたい」という強い思いを感じました。
是非、引き続きドローン業界そしてDPAを盛り上げて頂ければと思います!
ドローンスクールお台場(ハミングバード)も貢献できるように尽力してまいります!
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